ハーブの育て方や特徴の話。[MARUKU.LABO(まるくラボ)]

ハーブの話やまるく商店での出来事

ローゼル

ローゼルの生果実 (写真:まるく商店)

ローゼル

和名:紅葵(ベニアオイ)・ローゼリ草

英名:Roselle /  jamaican sorrel /  java jute

学名:Hibiscus subdariffa L.

科名:アオイ科

属名:フヨウ属

形態:多年草(日本では1年草)

原産:西アフリカ(北東アフリカ)

花言葉:新しい恋・常に新しい美

耐暑性:◎強い

耐寒性:△弱い

播種時期:4月~5月

開花時期:9月~10月(自家受粉)

収穫時期:10月~11月

 

ローゼルについて

ローゼルには主に砂糖袋や紐に使う繊維を得るために栽培されていた品種アルティッシマ(H. sabdariffa, variety altissima)と、食用や医薬品として花の外側(萼)の部分を食用にするために栽培されていた品種サブダリファ(H. sabdariffa, variety sabdariffa)があります。なので、ローゼルといえども食用に向かないローゼルもあるので注意が必要です。

 

判断の仕方

違いとしては、繊維用のローゼルは分枝が少なく、食用のローゼルは分枝が多めで、果実も多毛で肉質なのが特徴。

また、普段、私たちが目にするローゼルは、ルベル(赤色の蕚片)と呼ばれる食用に適したローゼルですが、食用ローゼルには他にも、繊維用にも使えるアルバスというローゼル(黄緑色の蕚片)があります。

因みに、時々、バーガルプリエンシと呼ばれる蕚片が緑色のローゼルは食用には向かないとされています。

 

ローゼルの特徴

蕾をつけたローゼル (写真:まるく商店)


ローゼルの葉は三枚の葉をくっつけて一枚にしたような、ヤツデの葉を模したような特徴があります。夏が終わる頃には蕾をつけ、約10㎝ほどの花を咲かせていきます。

花の色は私が育ててみた限りでは、気温が高く日射しが強い(日が長い)とピンク色に、気温が低く、日射しが弱い(日が短い)と白色になるような気がしています。

背丈は育って2mになり、大きくなるにつれて小豆色の茎が幹のように変化するものの、強風に弱いため育てる場合は支柱が必要です。

また、下枝は枯れずに育っていくので、折れやすくなるので剪定するか強い風が当たりすぎないように注意する必要があります。

 

育て方

播種から約7日程で発芽します。

生長は速度は夏に入ると一気に早くなり、頂芽をどんどん伸ばしていきます。

ローゼルは日の当たる時間が短くなると花芽を作り出す短日植物なので、地植えで無い場合は日の光がしっかり当たる場所で昼夜のメリハリをつけられる環境で管理します。ローゼルは夏の日射しに負けない強さがあるので、葉焼けの心配はありません。

腰元まで育ってきた頃には茎がしっかりとしていきますが、強風には弱いので、茎が折れないように長めの支柱を施しておきます。

 

水遣り

地植えの場合は、何週に渡って晴れ間が続かない限り、自然が管理してくれるので与える必要はありません。

鉢植えの場合は、土が乾いた段階でたっぷり与える様にします。

 

肥料

夏の成長期に入ったら追肥を施します。化学肥料よりも緩効性肥料の方が肥料焼けする心配もないのでお勧めです。

 

害虫

コガネムシ・フタトガリコヤガ・ワタノメイガ(葉巻虫)・バッタ

 

ローゼルの活用方法

ローゼルの蕚(がく)と実 (写真:まるく商店)

食用のローゼルは果実を収穫した後、蕚と実を取り外します。

付け根の部分を包丁で切り、切り口からお箸や棒を使って実を押し出します。

この時に取り出した蕚がハイビスカスティーとなります。

台湾では「洛神花(ルォシンファ)」と呼ばれており、ローゼルの蕚を乾燥させたものがよく販売されています。

ローゼルには、疲労回復に効くクエン酸アントシアニンやフラボノイドをはじめとしたポリフェノールが多く含まれており、生活習慣の改善や眼精疲労にも、効果が期待されていると云われています。また、ビタミンCも含まれていることから、美肌にも良いとして、アジア圏では親しまれています。

基本的には取り出した蕚を乾燥させて使いますが、フレッシュのハイビスカスティーは年に一度しか楽しめないドライとはまた違う良さがあります。

クエン酸が入っているだけに、味はやはり酸っぱいです。なので、蜂蜜やシロップを混ぜて甘くして飲むか、他のハーブをブレンドして酸味を活かした飲み方で楽しむのが一番かもしれません。

生のローゼルは沸かしたお湯に入れると鮮やかな赤色に染まっていきます。収穫が早いと色が薄いので、実が張ったものを使うと色が出ます。乾燥させたローゼルの場合は紅茶の様な色が出ます。

ローゼルの蕚はハーブティーの他にもジャムやデザートにも使われており、酸味のある風味はとても良いアクセントになります。

フレッシュハイビスカスティー (写真:まるく商店)

ローゼルについて思うこと

ローゼルについて思うこと。それは何といっても酸っぱい。そして蕚が小さい毛に覆われているので素手で触るとチクチクするというところなんですが、全体的に花も葉も実も綺麗なんですよね。

ラボの畑で並べて植えているのですが、結構お洒落になります。

畑に何を求めているんだと言われそうですが、観葉植物だったらなと思うほどに良いです。

ローゼルは育てやすい部類ですが、実際に育てるとなると、2m程に、なかなか大きく育つこともあり手を出しづらいかもしれませんが、そんな時は、10月~11月は1年に一度の生の新鮮なローゼルが手に入る時期ですので、お家でハイビスカスティーを楽しんでみるのも良いかもしれません。