ハーブの育て方や特徴の話。[MARUKU.LABO(まるくラボ)]

ハーブの話やまるく商店での出来事

レモンタイム

レモンタイム(写真:まるく商店)

レモンタイム

和名:タチジャコウソウ

英名:Lemon thyme / Citrus thyme

学名:Thymus citriodorus

科名:シソ科

属名:イブキジャコウソウ属

形態:多年草 

原産:南地中海(諸説あり)

花言葉:ー

耐暑性:〇有る

耐寒性:〇有る

播種時期:2月~6月

開花時期:4月~6月

収穫時期:いつでも

 

レモンタイムについて

日本では主にレモンタイムという名で通っていますが、ヨーロッパではシトラスタイムと呼ばれていたりするこのハーブは、過去の植物界で色々と物議を醸していた歴史を持ちます。

今でこそレモンタイムは、ティムス・シトリオドルスという学名で知られていますが、過去にはフレグランティッシムスだったり、ティムスセルピルムシトラス、はたまた単にタイムの交雑種だよハイブリットだよと言った具合に色々な呼び名で呼ばれていました。

何故、そんな沢山の通り名があったのかと言いますと、それは起源が分からないという理由が第一にあり、当時の学者達は取り敢えずレモンタイムは数ある園芸品種のタイムの中から交雑して生まれた品種として見ていたことから、それぞれの見解からみた呼び名が生まれました。

しかし、年月が経ちDNA解析の技術が向上して再度調べてみると、他の類似するタイムの品種と関りが無いことが判明。レモンタイムはレモンタイムだったという結論が出たことによって現代の呼び方に収まることになります。

今でもthyme×citriodorusと呼ばれていたり、(Pers.)という個人的見解では…という意味を持たせた呼び方で紹介されていますが、これはレモンタイムという意味です。

では、レモンタイムの起源は何処なのかという話なのですが、これは今も学者達の中で割れています。なのでレモンタイムの原産国はという話になると結論が出そうにないので、地中海の南でよく見るという理由から、今のところその地域が始まりとして見られています。

 

レモンタイムの特徴

レモンタイムはその名の通り、レモンの皮を感じる柑橘の香りがするハーブで、ギリシャでは食用として栽培されていると共に、抗菌効果や抗酸化作用があると云われていることから中世の時代からメディカルハーブとしても親しまれていました。

また、NLM(National library of medicine)という米国政府の図書館があるのですが、そこに記載されている情報によれば、レモンタイムはトマトの生長を促進させると共に、根こぶ線虫を減少させる殺線虫効果、土壌微生物の活性効果が期待されているとのことで、今後、レモンタイムが一躍有名になる日も近いかもしれません。

 

レモンタイムの育て方

日に当たることによって香りが強くなっていくので、基本的に日向を好みますが、日本の恐ろしい夏の陽射しと共に来る過湿は苦手なので、通年で育てていく場合は半日陰の水捌けの良い環境で育てると失敗はしづらいです。

アルカリ性の土壌を好むので、植付を行う際に土が酸性土壌になっていた場合は、牡蠣殻石灰や苦土石灰等を撒いて中和させてから植える様にします。

レモンタイムは生長するにつれて茎が木質化するので、必ず定期的に剪定を行い茂らせていくようにします。地植えの場合は草丈が30㎝程に育つので、お好みの形に生長させるためには春から夏、秋から冬にかけて剪定を行う様にしましょう。

九州では基本的に4月~5月の早い段階で開花しますが、平均的に7月頃に咲くとみていて大丈夫です。

冬になるにつれて葉色のくすみが進み、葉を小さく、または落葉させますが、越冬して春に新芽を出します。

比較的に耐寒性はありますが、霜に当たり過ぎると枯れてしまうので注意が必要です。

 

水遣り

土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。基本的に乾燥に強いハーブなので、そこまで気を使う必要はありませんが、土中の蒸れは嫌うので、鉢植えをされる方は4日経っても土が乾かない場合は、新鮮な水を与えて土中の老廃物を流すようにしましょう。

あまり水を与えすぎると根腐れ徒長を起こすので気を付けるようにしましょう。

 

肥料

鉢植えの場合は、越冬をして2月~3月頃に目覚め始めたら緩効性肥料を与えます。

夏頃に開花を始めると栄養を沢山使うので、開花後にも少しだけ追肥をしてあげると調子を崩さずに越冬させることが出来ます。

地植えの場合は、春先の生長期に勢いが無く、全体的に下葉が変色ぎみの時以外は、特に必要ありません。

 

害虫

ハダニ、葉巻虫

 

レモンタイムについて思うこと

レモンタイム(写真:まるく商店)

まず、本来のタイムにレモンの香りがマッチしてとても良い香りがります。

魚や鶏を使った料理や飲み物に風味付けとして入れたりと、数あるタイムの品種の中でも活躍の場は広いのでとても便利で使い勝手はとても良いです。

ギリシャ方面ではフレッシュのままサラダに入れて食べると聞いたので、今度当商店のレモンタイムをこっそり使ってやってみようかなと思っています。

また、前述したように天然の殺線虫剤、トマトの生長補助、土壌の健康維持としても期待できるということから、先日、実際に今年こそはまるく商店の畑で実際やってみようと思っていたのですが、宮崎は異常なほど雨が降り続いていることもあって、今年は無理だったので、次回こそはやってみます。その時はまたご報告出来たらと思います。

ということで結論。レモンタイムは自宅にあっても損はしないハーブです。