ハーブの育て方や特徴の話。[MARUKU.LABO(まるくラボ)]

ハーブの話やまるく商店での出来事

タイミント (サラネー)

タイミントの幼苗 (写真:まるく商店)

タイミント

和名:ー

英名:Thai mint / Mint,Thai

学名:Mentha arvensis 'Thai'

科名:シソ科

属名:ハッカ属

形態:多年草

原産:北アフリカ / 地中海沿岸

花言葉:ー

耐暑性:◎強い

耐寒性:◎強い

播種時期:3月~6月 / 9月~10月

開花時期:7月~10月

収穫時期:いつでも

 

タイミントについて

タイミントは、別名サラネーと呼ばれており、名前の由来はミントをタイに持ち込んだイタリア人の名によるものと云われています。

その由来の通り、サラネーという言葉は日本語で言うと「ミント」。所説ありますが、学名では「Mentha spicata」というスペアミントを指す意味になるので、現地ではタイミントを他のミントと区別するために「ミントペッパー」と呼んでいたりします。

サラネーと言えども何ミント?ハーブなのは分かるけれども。っとなるのでそうなるのでしょうね。

そんなタイミントは、タイやラオスでは主に料理として活用されています。有名な料理としてはラープ(ラープン)というサラダがあります。

ラープは、細かく刻んで炒めた肉や魚、炒り米、唐辛子にハーブ(タイミントやバイマクルー)、ホームーデン(小さな赤玉ねぎ)やネギ等の野菜をナンプラーやライムで味付けした正にエスニックを感じるスパイシーなサラダで、必ずと言って良いほど、その料理にはタイミントが使われています。

ラープは美味しいですよね。

 

タイミントの特徴

タイミントの花とタイミントの草原 (写真:まるく商店)

タイミントは濃い赤紫がかった茎や葉の主脈が特徴的で、葉の縁も鋸歯状(きょしじょう)でギザギザしています。また、季節によって若干葉の形状が変わるのも特徴です。

春先の葉は鋸歯状の葉の縁も、鈍鋸歯(どんきょし)のように少し滑らかで、葉の広がりも大きめ。そして夏から冬にかけて陽射しの影響もあり、次第に固く、葉の広がりも小さくなり鋸歯状になります。

葉の香りはとても特徴的で、葉を揉むとエスニックを感じる独特のスパイシーさがあり、初夏に入ると他のミントと同じく、密集した淡いピンクがかった小さな花を咲かせます。

また、タイミントは古くから民間療法として活用されているハーブでもあり、鎮痛・鎮静・神経性不眠症の効果も期待されていると云われていることから、料理の他にもメディカルハーブとしても認知されています。

 

育て方

タイミントは、半日陰でも充分元気に育ちますが徒長が激しくなるので、基本的には日の当たる風通しの良い場所で管理することで丈夫に育ちます。

土は弱酸性でも十分に育ちますが、中性から弱アルカリ性の環境を利用して育てた方が株は弱りにくいです。

また、タイミントは、頂芽優先(ちょうがゆうせん)といって、根から一番太く伸びる茎の上部を優先的に生長させるので、ある程度成長させたら、必ずその茎の先(頂芽)を切ります。そうすることで頂芽に回っていた栄養が、今度は脇芽の方へと重点的に巡らせていくので、茂らせることが出来ます。

頂芽を切る目安としては、株が小さな時に剪定してしまうか、下葉が変色し落ちだした頃に剪定するようにします。

剪定しない場合は、草丈が20㎝を超えるので、剪定は必ず行うようにしましょう。

 

混植する場合

他のシソ科のハーブと混植する場合は、必ず花が咲く前に蕾を摘み取るようにします。そうしないと他のシソ科の品種と交雑してしまい、特徴的な香りが徐々に薄くなってしまい、最終的には本来の香りが消えていきます。

 

越冬させる場合

鉢植えの場合、気温が7℃を下回る冬の時期は、室内、若しくは、日中は必ず日の当たる簡易温室で越冬させるようにします。真冬に鉢植えのまま外に置いておくと土中の温度が冷風によって極度に奪われ、株を一気に弱らせてしまいます。日本海から東日本で育てる場合は注意が必要です。

 

水遣り

土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。

夏の時期は、直ぐに乾いてしまうので、朝夕の2回。必ず水を与えます。

 

肥料

秋頃の気温が20℃をまだ超えている頃に緩効性肥料を与えます。

地植えの場合は必要ありません。

 

害虫

ヨトウムシ・ゾウムシ・バッタ

 

タイミントについて思うこと

タイミントは、宮沢賢治雨ニモマケズじゃ無いですけれど、地植えの場合は、日本の恐ろしい湿度や夏の陽射し、冬場の強い風や霜に当たっても何のその。思いっきり剪定しても気づけばランナーを伸ばし、他のミント系ハーブを駆逐していくほどに生命力に長けたハーブです。

我が道を行く、その逞しさは惚れ惚れするほどです。

成長期に入る春先は料理に使うために沢山収穫しても直ぐに伸びて来るので、エスニック料理を満喫されたい方は地植え一択ですが、そんなに食べない場合は鉢植えで育てると穏やかになるので、鉢植えをお勧めします。

因みに、まるく商店のラボで、試しに一か所、ひと苗だけ植えて繁殖力を見てみたところ、1年であっという間にタイミント畑が出来上がりました。

他のミントとは違う香りを楽しめる、力強いミントです。