マジョラム シリアカ (シリアン オレガノ)
マジョラム シリアカ
和名:ー
英名:Syrian oregano / Majorana syriaca / O. syriacum
学名:Origanum syriacum L.
科名:シソ科
属名:オレガノ属
形態:多年草
原産:中東(エジプト) / シナイ半島
花言葉:ー
耐暑性:〇有る
耐寒性:〇有る
播種時期:4月~6月 / 9月~10月
開花時期:5月~7月
収穫時期:いつでも
マジョラムシリアカについて
一般的に聞き覚えのある名称として、このマジョラムシリアカはシリアンオレガノと呼ばれることが多々ありますが、これは自生地に由来する呼び方で、シリアに自生しているオレガノの事を指す場合はシリアンオレガノ。
レバノンで自生しているシリアカの場合はレバノンオレガノといったように、呼び方は違えど、ハーブ自体は同じマジョラムシリアカです。
また、シリアカは特殊な呼び方として「聖書のヒソップ」等とも言われることがあります。それは聖書の出エジプト記に出てくるヒソップ(ヒソプ)は聖典研究の間では、このマジョラムシリアカの事を指すためとされています。
え?そうなの?と思われるかもしれませんが、私たちの知るヒソップ(ヒソプ)は、どうも当時のエジプト地域には自生していなかったという話が現代における通説のようです。
マジョラムシリアカの特徴
中東から地中海沿岸が原産のマジョラムシリアカは、自然体に育っていくと草丈は約1m程に育ちます。
生長するにつれて茎は木質化していき、見た目が柔らかそうな特徴のある葉を茂らせます。
葉を揉むとオレガノをスパイシーさに甘みを強く持たせたような濃い芳香をもち、ドライでもフレッシュでもその力強さは失いません。
春から夏にかけて、白よりの、ほんのり薄いピンクの小さな花をさかせ、庭を明るくさせていくので、ガーデニングにもお勧めです。
マジョラムシリアカは、ザアタル(ザータル)という各地域で味が違う、中東料理(レバノン・シリア・ヨルダン・エジプト・パレスチナ・トルコ等)のミックススパイス調味料には欠かせないハーブですが、古来より、胃や腸の痛みの緩和、風邪や咳、歯痛の治療など伝統的な民間療法でも利用されてきたメディカルハーブの歴史があります。
PMC(PubMed Central)による最近のマジョラムシリアカから抽出したオイルを解析した研究報告では、実際に抗酸化作用や抗炎症作用等に効果が期待され、計り知れない可能性があると報告されています。
育て方
マジョラムシリアカは、ユダヤ砂漠の東側にあるユダヤ産地の岩肌に多く自生していることから、本来、水捌けの良い痩せた土でも育つ、強いハーブではありますが、基本的に国内で見かけるシリアカは、既に日本の環境に順応していることが多い為、余程、水捌けと通気性の悪い土を使用しない限り、一般的な植物用土を用いて、日当たりと風通しの良い場所で管理するようにすれば問題ありません。。
注意が必要な点として、日本の夏の強い日射しを浴び続けると葉色を落としてしまうので注意が必要です。また、気温が38℃~40℃の状態の環境だった場合、成長が著しく落ち、葉をあまり出さなくなるので、夏の季節は、午前中だけ陽が当たる場所。そして、風通しの良い場所で必ず管理するようにします。
春と夏の気温が落ち着いて、湿度が70%以下の時期に剪定を行います。
剪定は、根元から10㎝以上のところであれば、好みで大丈夫です。剪定をすることで、新芽を増やすことが出来るので、鉢植えの場合は特にお勧めです。
マジョラムシリアカはある程度の耐寒性はありますが、昼夜10℃以下が続く場合は室内か簡易温室へ、地植えの場合は雪や霜に当たらないようにします。
水遣り
やや乾燥気味にそだてます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
気温が高い日は日中の水遣りは避け、朝夕に与える様にします。
肥料
鉢植えの場合は、春に緩効性肥料を与え、花が咲き終わった頃に、越冬させる体力をつけてもらうため少量の追肥を施します。地植えする場合は必要ありません。
害虫
地植え、鉢植え、屋内屋外、ハウスで実験しておりますが虫は付いていたり食害を見たことがありません。
マジョラムシリアカについて思うこと
葉が分厚く、小さめの葉のフワフワした生長がマジョラムシリアカは、成長も穏やかで、剪定次第では低木のようにお洒落に見せることも出来ます。
個人的に葉の香りは何となく、そう。いい意味で練り消しを感じますが、肉料理や煮込み料理に使うと、とても良いアクセントになります。
特にトマトを使った料理がお勧めで、あるのと無いのでは全然違うので、一度試してみる価値はあります。
まるく商店でも栽培しているのですが、成長が穏やかな分、毎度大量に使うことが出来ないのが難点。