ディル
和名:ノインド
英名:dill
学名:Anethum graveolens
科名:セリ科
属名:ノインド属
形態:二年草(一年草)
花言葉:知恵
耐暑性:〇有る
耐寒性:〇有る
播種時期:4月~6月 / 9月~10月
開花時期:5月~7月
収穫時期:春植3月~8月
ディルについて
シダのような独特の形をした葉のディルは、とても個性的な強い芳香をもっています。ディルの歴史は古く、紀元前1400年には既に存在していたとされ、ギリシャ神話ではアネサスという若者がディルに変身したともいわれています。
一般的には食用として利用されていることから、ディルの種のことはディルシード。
ディルの葉の事はディルウィードと混同しないように呼び方を使い分けられていたりします。
人間の暮らしに長く関りをもつだけに、料理ではマリネやドレッシング、魚料理やスープなど種や葉、花を利用して様々な料理に利用され、種子や茎から抽出されたオイルは石鹸の材料にも活用されています。
ディルの特徴
ディルは芽が出てから中心部から次々と重ねて登るように新芽を出して茎を形成していきます。開花時期になると頂芽から花火を散らすように黄色い花を咲かせます。見た感じは例えるなら空に落ちる線香花火のような姿です。
開花が終わると種子が作られますが、種子も葉と同様にとても強い芳香があります。そのことからディルフルーツなんてお洒落な呼ばれ方もされたりします。
乾燥に強く、日射しも好きなディルですが、日本の夏の陽射しや湿度は若干苦手な面があり、とう立ちも早いので、長く楽しみたい場合は収穫量は減ってしまいますが秋植えがお勧めです。
育て方
ディルは水捌けの良い日の当たる環境で管理すると葉を多く茂らせることが出来ます。
発芽した時期が気温30℃だった場合は、葉が2~3枚育つまでは半日陰、もしくは遮光ネットで直射日光をある程度遮ることで葉焼けを防ぐことが出来ます。
直根性のハーブなので苗の植替えをする場合は、絶対に根を傷つけないようにします。当たり所が悪かった場合、最悪、枯れてしまうので、出来れば土を落とさずに、そのまま植替えをすることをお勧めします。
発芽、若しくは植替え後、葉が20㎝程に育ってきたら茎を痛めずに葉を収穫することが可能です。収穫せずにそのままにしていた場合は葉が固くなるので、柔らかい葉を使いたい場合は若葉を、固い葉を使いたい場合は古い葉をと、お好みで料理の用途によって使い分けるようにすると良いでしょう。
ディルシードを採らず、葉を多く収穫したい場合は、とう立ちの前に頂芽を切ると葉を増やせます。
秋播きの場合は、霜と雪に当たらないようにします。対策としては鉢植えの場合は屋内に、地植えの場合は、農ポリを被せ、簡易温室を作ると越冬しやすくなります。
コンパニオンプランツ
ディルは条件はありますが、コンパニオンプランツとしても活躍します。
ディルは種をつける時期になるとキュウリとブロッコリーにとって有益な昆虫を引き寄せる効果があるので、家庭菜園でキュウリやブロッコリーを栽培をされている方は試してみる価値があります。
また、トマトにとってもディルは受粉を媒介する益虫を引き寄せつつ害虫を忌避させる良い効果をもたらしてくれますが、ディルが開花してしまうとトマトの生長を阻害してしまうので、トマトのコンパニオンプランツで利用する場合は、開花しないように定期的な剪定が必要です。
水遣り
保水力がある土よりも水捌けの良い土を好むディルは、乾燥には強いので、基本的には土の表面が乾いてから水を与えます。
夏場に水遣りをする場合は、必ず朝か、夕方以降に行うようにします。
昼間に水を与えてしまうと土中が蒸れてしまい根腐れや病気の原因になってしまうので注意が必要です。
肥料
鉢植えの場合は草丈が20㎝を超えた辺りで緩効性肥料を与えます。
害虫
アオムシ・バッタ
ディルについて思うこと
ディルはメディカルハーブとしても有名で、整腸効果・鎮静効果・睡眠効果があると云われており、古くから民間療法としても使われていた歴史があります。
基本的に、民間療法ではハーブを煮出して飲むことが多いのですが、不思議なことにディルは調べたところ、その独特な香りのせいなのか他のハーブとは違い、お茶よりも料理や魔除けに活用されることが多かったことから、私は試しにディルの葉を使ってハーブティーにしてみたんです。
フェンネルでもティーで飲まれることが多いので、きっとあんな味なんだろうと思って。
結論。ディルは料理で使うことが一番だなと個人的にはそう思いました。